こんにちは、つねです。
今回のウェブマーケコラムではマクロ解析とミクロ解析についてご紹介いたします。
Webサイト全体の傾向を集計し、数量的なデモグラフィック調査を行うことはマクロ解析です。一方、個々のユーザーの閲覧経路を調査し、ユーザーの感情や思考を推測するための質的なサイコグラフィック調査はミクロ解析となります。
※本記事はウェブ解析の試験内容の復習として筆者がまとめたものになります。興味ある方はぜひ資格を(^_^)
マクロとミクロの違い
マクロ解析における主要な解析指標としては、セッション数、ページビュー数、直帰率などがあります。
一方、ミクロ解析では、サイトへの流入企業名や地域名、閲覧したページや経路、訪問頻度、訪問回数、日時などが主な指標となります。
マクロ解析は、事業の成果に貢献することをゴールに、全体の傾向からマーケティングやコンテンツの問題点を見つけ出し、ビジネスを改善する提案を行います。
一方、ミクロ解析は個々のユーザーに焦点を当て、そのユーザーの利益や課題を明らかにすることで、そのユーザーの満足度を向上させるための改善提案を行います。
ミクロ解析の目的と対象者選定
現代の時代において、ニーズの多様化や個別の価値観の違いが注目されるようになり、ミクロ解析が重要視されています。
ミクロ解析は、以下の手順で実施されます。
- ユーザー選定条件の特定: 事業の目的や課題に合わせて、特定のユーザー選定条件を決定します。
- コンバージョンに至ったユーザー
- 訪問回数が5回以上であり、商品Aページを閲覧したユーザー
- 特定の企業であり、セミナーページを閲覧したユーザー
- 対象ユーザーの選定と選定理由: 選定条件に基づいて、対象ユーザーをリストアップします。
- 閲覧経路の分析と改善点の仮説立て: ページ閲覧の特定だけでなく、閲覧順序や各ページの滞在時間、ユーザーのデバイス、地域などにも注目し、分析を行います。
- 人物像の作成 (ペルソナ・カスタマージャーニーマップ): 経路分析から得られた事実をもとに、人物像をまとめます。これに基づいてペルソナを作成します。
- 施策立案と実行: ウェブサイトの改善、営業活動の改善、製品やサービスの企画改善など、目的に合わせて担当部門と連携し、施策の立案を行います。
- 施策実行後の効果検証: Webサイトの改善を目指す場合は、マクロ解析の量的調査と組み合わせて効果検証を行います。営業活動の改善においては、商談の結果とクライアントとのコミュニケーション結果から効果を評価します。また、製品やサービスの企画改善においては、リサーチや観察に基づく調査などを通じて効果を検証します。
ミクロ解析を使ったユーザー分析と展開
ユーザーの特定とその思考や行動を施策に展開するためには、2つのフレームワークがあります。
それがペルソナ分析とカスタマージャーニーマップです。
⒈ペルソナ分析: ペルソナ分析は、商品やサービスを購入する「想定のユーザー像」を設定することです。これにより、ターゲットユーザーの属性、興味・関心、ニーズや課題などを把握し、より具体的なユーザープロフィールを作成します。ペルソナは、マーケティングやプロダクト開発の中で、ターゲティングやコミュニケーション戦略の基盤となる重要なツールです。
⒉カスタマージャーニーマップ: カスタマージャーニーマップは、ユーザーが商品やサービスを認知し、興味を持ち、購入・申し込みに至るまでの行動を分析することです。このフレームワークでは、ユーザーが経験する各段階(例: 意識、関与、購買、アフターケアなど)での感情、ニーズ、課題、行動などを詳細にメモします。カスタマージャーニーマップは、顧客理解を深めるために役立ち、関係者間の認識を整理し、より効果的な施策や改善点の発見に貢献します。
これらのフレームワークを活用することで、ユーザーをより深く理解し、そのニーズや行動に基づいて施策を展開することが可能となります。
事業戦略をミクロ解析から策定
ミクロ解析は、Webサイトやマーケティングの改善だけでなく、顧客獲得にも役立つ方法です。
- ミクロ解析から見込み客を見つける:
ミクロ解析では、個別のユーザーの行動や属性を分析するため、潜在的な見込み客を特定することが可能です。例えば、特定の商品ページを複数回閲覧したり、問い合わせフォームに入力したりしたユーザーは、関心が高い可能性があります。これにより、見込み客の特定やターゲティングに活用することができます。 - 問い合わせがあった見込み客の経路分析で商談力を高める:
ミクロ解析では、問い合わせがあった見込み客の行動経路を詳細に分析することができます。これにより、見込み客がどのような経路でサイトに辿り着き、どのページで興味を持ったのかなどを把握することができます。これらの情報を元に、商談時に的確な質問や提案を行うことができ、商談力の向上につなげることができます。 - メールマガジンや広告の品質を改善する:
ミクロ解析では、個別ユーザーの行動や属性を分析することができるため、メールマガジンや広告の効果を向上させるための改善点を見つけることができます。例えば、特定の顧客セグメントがメールマガジンの特定のコンテンツに反応しやすいことがわかれば、それに合わせたカスタマイズやセグメント化を行うことができます。また、特定の広告チャネルからの流入ユーザーの行動パターンを分析し、広告の品質やターゲティングの最適化に活用することもできます。
以上のように、ミクロ解析は顧客獲得においても有用な手法であり、見込み客の特定や商談力の向上、メールマガジンや広告の品質改善に活用することができます。
ミクロ解析を行う際の注意点
ミクロ解析を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
- 関連法規や自社ポリシーを遵守する:
ミクロ解析を行う際には、個人情報保護法や関連する法規制に従う必要があります。
個人情報を収集し処理する場合は、適切な同意を得るか、匿名化や個人情報の保護に十分な対策を講じる必要があります。
また、自社のプライバシーポリシーや利用規約といったポリシーにも準拠することが重要です。 - ミクロ解析で得られるデータと実際の閲覧実態に差が出ることがある:
ミクロ解析では、ユーザーの行動データを元に分析を行いますが、すべてのユーザーの行動を正確に捉えることは難しい場合があります。
一部のユーザーがJavaScriptやCookieを無効にしていたり、アクセスログが正確に取得できなかったりすることがあります。
そのため、ミクロ解析で得られるデータは一部のユーザーに限定される可能性があり、実際の閲覧実態と若干の差異が生じることがあります。
この点を考慮しながら解析結果を評価する必要があります。
以上の点に留意しながら、ミクロ解析を適切に実施することが重要です。関連法規や自社ポリシーを順守し、ユーザーのプライバシー保護に十分な配慮をすることで、信頼性の高いミクロ解析結果を得ることができます。
また、データと実際の閲覧実態の差異を理解し、解析結果を適切に評価することも大切です。